おはようございます。
 ロンドンオリンピックに沸いた今年の夏でしたが、夏休みは充実したものになりましたでしょうか。1学期終業式では、「I was born」の詩を紹介し、命の不思議やその大切さについて考えてほしい、と述べました。そんな中での大津市でのいじめによる自殺事件報道は、教育に携わる者として誠に残念なものでした。見えない生徒の心を見つめる教師の洞察力の必要を感じると共に、「いじめ」問題の深刻さ難しさを思い知らされました。また唯一の被爆国である日本に生きる者として「戦争と平和」についても考える夏であって欲しいと話しましたが、いかがでしたでしょうか。夏になると中国や韓国では反日感情が高まります。政治的に利用されることには反感を覚えますが、殴った側は忘れても殴られた者は忘れないという戦争による憎悪の根の深さを改めて知らされる感情でもあります。夏休みの反省の際、この二つのことについて、改めて整理してくれればありがたいと思います。

 さて、今日から2学期が始まります。
 夏休みとはいえ、多くの生徒が部活動や夏季集中講座等に出校し頑張ってくれました。特に3年生は夏季集中講座に加え進学補習や就職対策などで夏休みとはいえ、毎日のように出校した生徒も多かったように思います。
 2学期は1番長い学期です。そしていろいろなことが具体的に進展してゆく大切な時期です。言うまでもなく3年生にとっては進学する者は具体的に学校が決まり、就職する者は具体的に会社が決定してゆく時期になります。この暑い夏に頑張ったことを力に変えて、実りある時を迎えることができるよう怠りなく最後の仕上げをしてください。焦らずしかし期限等はしっかり守り、担任をはじめとする先生たちの指導に従って遺漏なく準備し、自信を持って試験等に臨めるように準備することが大切です。我々教職員も全員で面接指導や小論文指導に当たります。遠慮なく活用してください。
 1年生は2年次3年次を過ごすコース分けの時期となります。クラスによって学習内容が異なりますので、自分の進路志望や適正をよく把握し、また保護者とも相談し、担任や学年の先生たちと十分話し合い、間違いのないコース選択をお願いしたいと思います。
 2年生はこの夏、全員がインターンシップを経験しました。働くこととはどういうことか、お金を稼いで生活することの大変さも実感したと思います。改めて自分の進路について考えてみてください。またこの二学期、2年生は3年生に代わり生徒会や部活動を背負う時期になります。それぞれの立場で自分の役割を考え、少しでも良い生徒会・部活動そして学校づくりにリーダーシップを発揮してくれることを期待しています。11月には高校生活で一番思い出に残るといわれる修学旅行もあります。楽しい思い出になるよう良いクラスづくりをする時期でもあります。

 総じて、生徒の皆さん一人一人にとって、そして本校にとっても大切な学期となります。基本は毎日の授業です。1コマ50分の授業を大切に、目標を持って授業に臨み、やがては社会人となるために必要な基礎力を自分の生きる力として身につけてゆくことです。じっくりしっかり日々の授業に取り組み、浮つくことなく落ち着いた生活をし、充実した2学期にしてほしいと願っています。
 暑い日が続きますが、季節は確実に夏から秋に向かい、この学期の終わりには年の瀬が近い冬となります。「実りの秋」というように、皆さんの日々の努力や頑張りが成果としてあらわれる時期になることを祈念し、2学期始業の挨拶とします。

 平成24年8月21日

秋田県立角館南高等学校長  菅原明雅